ミカエルは旧約聖書外典である『エノク書』にもあらわれる。『エノク書』は
初期キリスト教徒たちの間で広く読まれ、新約聖書のにもミカエルへの言
及がみられる。
示録ではミカエルが天使を率いて赤い竜(サタン)と戦う場面が描写され
ている。
新約聖書外典でモーセが十戒を受けたとき、十戒を記した石板をモーセ
に渡したのはミカエルであるとされている。
また、ジャンヌ・ダルクに神の啓示を与えたのはミカエルだとされている。
その後、ミカエルは人ではないが聖人の一人としてキリスト教徒の間で広
く崇敬されるようになった。キリスト教徒たちはミカエルをラファエル、ガブ
リエルとならぶ三人の大天使の一人であるとみなした。ミカエルは守護者
というイメージからしばしば山頂や建物の頂上にその像がおかれた。ルネ
サンス期に入ると、ミカエルはしばしば燃える剣を手にした姿で描かれる
ようになった。中世においてミカエルは兵士の守り手、キリスト教軍の保
護者であった。現代のカトリックでは、兵士ではなく警官や救急隊員の守
護聖人になっており、地域ではドイツおよびウクライナの守護聖人とされ
ている。
カトリック教会における日本の守護聖人もかつてはミカエルであるとされた。これはフランシスコ・ザビエルによって定められたが、のちにフランシスコ・ザビエル自身が日本の守護聖人である。とされている。